oneichanmemo

住む食う寝るに、見る書くヲタク

2017年の話(私立恵比寿中学の話)

アイドルオタクを始めてから、たぶんもう8年くらいになると思う。しかしながら、記憶力がないため(もしくは自分が本当は薄情なせいで)、覚えている公演って数少ない。今までも現場の後は「こんな公演二度とない…」とか思うんだけど、結構直ぐに忘れてる。

でも、去年は印象的な現場がとても多く、珍しくしっかりと記憶がある。そのうちの、最も覚えている公演が、私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~の千秋楽だ。

 

https://amp.natalie.mu/music/news/241243

 

今更わたしが語ることでもないので、その公演の記事を貼った。2016年のクリスマス学芸会からこのツアーの日程は決まっていて、そのときわたしは「千秋楽りななん誕生日じゃーん」なんてへらへらしていたのだ。そして、その発表より少し経って、ーーーほんとうに、少しだけの時間が過ぎただけの頃に、松野さんが急逝してしまった。

そのときは、春ツアーやるんだろうか、それどころじゃないんじゃ、なんて思っていた。でも、春ツアーはしっかりと行われて千秋楽、つまりはりななん誕生日公演を迎えた。

 

この日の公演は、本当に一生忘れないと思う。

他の公演ではメンバーカラーだった銀テがりななんの青だった。フレフレサイリウムでメンバーの持つサイリウムは青だった。サドンデスの台詞はみんながりななんの言葉をしゃべった。間違いなく、りななんの誕生日公演だった。みんなでりななんのことを思った。

しかし、わたしは公演が終わりになるにつれ、切なくてたまらなくなってしまった。当たり前にそこにりななんの存在があり、それを確かめ合うような公演に思えた。少し前までは、確かめ合う必要もないほどに近くにいたのに。切ない、それに尽きた。

 

この日の公演は絶対に忘れないと書いたけれど、一番印象に残っているのは、「君のままで」の安本さんだ。この日のこの曲の安本さんはすごかった。気迫とかオーラとかそういう類の言葉になるのだろうけど、わたしは泣きたくてどうしようもなくなった。纏う空気にもの悲しさを感じてしまった。決して安野さんが悲壮感を滲み出していたわけではない。歌に感情をぶつける安本さんが、切なかったのだ。

 

その「君のままで」は、インパクトが強すぎて、変な話だけど、悲しい思い出になってしまっていた。もともと、エビ中のみんなは器用な子ばかりでないと勝手に思っているけど、安本さんはその筆頭だった。あのエネルギー、わたしは今度安本さんを直視出来るのかな、なんて思ったりもした。

そのあと、秋ツアーとぁぃぁぃラストの武道館に足を運んだ。その時には、わたしは素直にメンバーを見ることが出来て、公演もほんとうに楽しむことが出来た。あの公演は夢だったのでは、自分の気持ちが高ぶりすぎていたのでは、なんて思ったりもした。

 

この前、その春ツアー千秋楽の映像を見た。

ツアー舞台裏ドキュメンタリーとセットになっていたのだけど、裏側を見てから映像を見て、またしてもたまらなくなってしまった。そして、「君のままで」も見返した。やっぱり、ちょっととんでもない公演だったな、と改めて思った。自分の気持ちがある程度整理された上でも、とんでもなかった。

そして、改めて、勇気をもらった。

自分を諦めたくないな、と思うようになった。

 

望んでいた道ではないし、どんな風に自分たちが思われてしまうのか、自分たちはどうするのか、なんてことに突然向き合うようになった彼女たちの気持ちなんて、おたくが推察するようなことじゃないってわかってる。物語にしてしまうことではなくて、単純に事実だけがそこにある。こんなかたちで、彼女たちから勇気をもらってしまったこと、それももしかしたら不本意なのでは、なんて、、

でも、エビ中を好きになって良かったって思うし、ステージにいてくれてありがとうって思う。これからもライブに行きたいって思う。8年経っても、こうやって勇気をもらえることがある。簡単に諦めちゃいけないことがある。それがプライドってものでしょう。

そんなシンプルなことを教えてくれてありがとうって、彼女たちにお礼が言いたい2018年です。