oneichanmemo

住む食う寝るに、見る書くヲタク

三谷幸喜に会いたいと思ったら会えた話

初めて意識したのはTHE有頂天ホテルの時だったと思う。家族で映画館に観に行った。今でこそ姉と遊ぶことはあるけれど、当時は本当に仲良くなかった。話すことも最低限で、お互いがお互いを意識しすぎて嫌い合ってたと思う。でも、その映画の帰り道は、すごかったね、面白かったね、洗顔クリーム持ってきてくれ!とゲラゲラ笑い合ってた。それこそその頃は、クラスにいる頭の良い子たちが音楽や映画に難解な評をしているのを見ていて「好きなもの」について色々と考えていた頃だった。そして、そのあたりから、今の「シンプルこそが美しく面白い」という考えに辿り着いた。考えられたものでないと、シンプルにする事は出来ない。ずっとそうなりたいなと思っていた。

そして、大人になると、会いたい芸能人には大抵会えるということがわかった。もちろん会えない人だっているけれど、芸能の仕事をされている以上、本気になればその方を見ることは何かしらの機会がある。子どもの頃に会えないと思っていたモーニング娘。にだって、ドリーム モーニング娘。として会うことが出来た。
そして、沸々と「三谷幸喜を見たい」という気持ちが芽生えた。でも、彼は芸能人ではないので、興行で会えることもない。舞台挨拶しかないんじゃないか、と思った。しかしながら今作は主演がジャニーズなので難しいな、また映画を作ってくれるだろうか、と考えていた。
そうしたら、姉が初日舞台挨拶を当ててきてくれた。世の中、ラッキーなことがあるんだから、申し込まないことはないと思った。

映画が終わった後に、舞台挨拶は始まった。目の前にその人が現れたとき、不思議なくらい想像どおりの人だと感じた。立ち位置を間違えて慌てて移動する姿、それまではじっと待っていたのに、キャラクター名を司会の方が間違えたときに即座に話に入ってきたところ、眼鏡が反射して表情がわかりにくかったけど、とてもしっくり来た。この人から、数々の作品が産まれてきたんだなあ、と、当たり前のことを考えていた。

シンプルは考え抜かれていないと成立しないもので、そこにたどり着くまでにいろいろな文化に触れていないと駄目なんだろうなと思って、まだまだわたしはもがいてる。文化人でもなんでもないけど、自分を確立させたいと考え続けてる。その要素に三谷幸喜も確かに存在してる。会ってしまえばとても納得してしまったけど、彼の思うことをもっと理解したいと思った。三谷幸喜に関してはヲタクではなくファン程度だけど、これからもずっと、追いかけ続けて、また姿を見たときに、答え合わせをしたいと感じた。

……まあ、姿を見ただけで、会えたと思ってるわたしは、十分ヲタクですね。