oneichanmemo

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推しメンが卒業した後もそのグループを愛せるのか?

2023年の春に、大好きだった推しが所属のアイドルグループを卒業した。アイドルのオタクを10年以上続けているので、いわゆる「推しメンの卒業」は体験したことがあったけど、こんなにも毎日その子のことを考えて、配信を見て、SNSをチェックして、いわゆる認知がある状況のアイドルが卒業するのは初めてだった。(アイドルに認知を求めるの?とか、そういう話は割愛する。応援を続けるうちに結果として認知があるという話なので、、)

「未来に卒業した後、芸能はやらないかもなー」とは、発表云々の前から考えていたので、引退したことについて今更どうと考えることもなく、互いに元気ならそれでええわな、と思っていた。細かい感情の話をすると「なんでここにいないのかな」とは思わないけど「やっぱあの頃めちゃくちゃ楽しかったな」と思い返すことはある、という感じ。結局、引退して会えなくなったところとて、楽しすぎた日々の思い出は心に残るのだ。

そして、楽しすぎたこの思い出を抱えたまま、推しメンが卒業したこのグループを、わたしはまた愛せるのかな、と思った。

 


推しが卒業した後、「そのアイドルグループのオタク自体をやめる」「新しい推しを見つけてオタクを続ける」の二択と考えていた。わたしは推しという定点がないとライブが見れないタイプだった。どこを見ていいか分からず、気付いたら流れるようにライブが終わってしまう。わたしは女の子が全力で歌って踊るライブを全力で応援することが好きなので、所属メンバーの全てを同様に応援するのは物理的にも心理的にも難しいと考えてしまうタイプだった。

わたしが応援しているグループはアップアップガールズ(2)というグループなのだけど(以下にきちゃんという呼称になります)、当初、推しメンが卒業した後は新メンバーを入れます、とオーディションを行っていた。だからマア、新メンバーが入ってから考えればいいか、と思っていた。ここで、すぐに「そのアイドルグループのオタクを辞める」とは思えなかった。すっぱりオタクを辞められたらよかったのかもしれないのだけど、このグループを好きになりすぎていたのでできなかった。もちろん「推し」という定点はあったけど、グループもライブも大好きだったから熱量を保ってオタクを続けられていたわけで、、

しかしながら、そのオーディションの進捗が全く見えないまま、季節は夏を過ぎていった。これにとても困っていた。定点がないままに季節が巡っていた。そして、「該当者なし、今のメンバーで活動を続けます」と発表があった。

 


推しに関する考え方は色々あると思うんだけど、選ぶもんじゃないよな、という思考が私は強い。気付いたら推しになっていた、選択肢があるわけじゃないよな、みたいな。そんなもんだから、推しが卒業した後に「誰を定点に据えるか?」みたいなのは、無粋すぎるだろと思った。なので、とてもぼんやりとグループを応援していた。ひどい言い方だけど、その言葉がしっくり来る。

そうなって来ると、箱推しという、グループとして愛するという選択肢を考えるようになる。でも、箱推しって、自分は未達の概念だったので、なんというか、少し抵抗があった。今まで、その応援の仕方をしたことがないな、っていう、、

 


そうした、ぼんやりとしたままに何度か現場に足を運んだ。もちろん好きな子たちの楽しいライブなので、楽しかった。でも、推しメンがいた頃の、圧倒的劇薬的な、「こんなに楽しいことがこの世にあっていいのかよ」という、ある種依存性のあるような楽しさはなかった。「よかったね」「楽しかったね」という、それに嘘はないのだけど、あの頃の劇薬を求めてしまう気持ちはあった。

 


つい先日、Zepp公演という彼女たちにとって挑戦の公演があった。参加しないという選択肢はなく、応援したいな、楽しみたいな、という気持ちで臨んだ。

そして、公演の途中で「あ、わたしって、もうにきちゃんでは劇薬的楽しさは味わえないんだな」とわかった。誰が悪いとかではなく、悟った瞬間があった。そして同時に「でも、それでいいじゃないか」と思えた。劇薬的に楽しくなくても、わたしはこのグループを愛しているし、ライブは楽しくて、メンバー全員が好きだし、それでいいじゃないか。そこにさみしさは覚えるけれど、こうやってライブに参加したって、何も後ろめたくないじゃん。

アイドルのオタクは、とんでもなく心を揺さぶられる。推しメンのソロが増えたらとんでもなく嬉しいし、努力が認められていないように思えるととんでもなく悔しかった。レスが来たら心臓が飛び跳ねるんじゃないかと思うし、チェキ撮影中の何気ない会話もわたしにとっては特別だった。それほどまでに好きな子が、全力でステージでパフォーマンスしていることが、何よりも嬉しくて楽しかった。

わたしは多分、その気持ちはもう味わえないのかもしれないけれど、それでも、やっぱり、にきちゃんが大好きすぎるな。この子たちはもっともっと輝けるし、大きなステージが似合うし、何より元気がもらえて力強く応援したくなる子たちだな。とても素直にそう思えたのだ。

 


推しメンが卒業した後もにきちゃんを愛せるのか不安だったけど、気持ちは変わっていくし、大切だった思い出は消えないので、これからもこの子たちを応援していきたいと思えた。この気持ち自体が財産だな。そうやって、思ってもみなかった応援の仕方をさせてくれる特別な女の子たちです。やっぱりわたしはアップアップガールズ(2)が大好きです。これからもずっと応援させてください。